こんにちは。はなです(@hana8family)。
関西大学アイススケート部で監督を務めていたオリンピアンの織田信成さんが、濱田美栄コーチから2年半に渡りモラハラを受けたとして提訴しましたね。
無視されたり陰口を言われるなどの嫌がらせを繰り返し受け、濱田コーチと関西大学にもやめてもらえるように訴えたものの何の対策も講じられず、精神的な苦痛から体調を崩し、結果関西大学の監督も退任せざるを得ない状況に陥ったとして1100万円の慰謝料を求めています。
30歳近く年上で、同じ業界で活躍されている素晴らしい実績もお持ちのカリスマコーチを訴えるに至るのは尋常ではないですし、とても勇気がいったと思います。
私は現場でのお二人のやりとりを見たわけでもないし、織田さんの訴えを知っただけで濱田コーチの主張は知りません。
ただこの報道に関してひどく違和感を感じたので、物申したい。
メディアが一様に織田さんをバッシングし濱田コーチを擁護するのに違和感
ツイッター上で今後の織田信成さん周辺で起こるだろう出来事の未来予想していらっしゃる方がいました。
残念ながらこの予想は大当たりで、予想通りに事は進んでおります。
耳を疑う無神経な質問をする記者
織田さんは精神的に辛い状況であるにも関わらず、公の場に出て記者会見を開きました。
が、その会見場で記者は織田さんに対して耳を疑う無神経な質問を浴びせます。
ハラスメントの内容が「無視した」とか「陰口を言われた」とあるんですけれども、普通の感覚でその資料を読むと「それだけのこと?」と感じてしまう人もいると思うんですけども。
具体的に例えば人格を否定されることを言われたとか決定的な何かがあったんでしょうか?
~会見中の記者の質問より
この質問は、被害者の傷口に塩を塗りこんでいる暴言です。
世の中には同じようないじめやパワハラ、モラハラを受けて苦痛に感じた方、体調を崩された方は恐らくごまんといるわけで、この質問ができる記者の感覚にただただ驚きました。
額がですね、1100万円というのにビックリしたんですけど、このあたりは御本人どういう風に思ってらっしゃいます?~会見中の記者の質問より
安っ!と思いましたけど、記者的感覚では高いとビックリされたんですよね?
オリンピアンが精神的苦痛を受けて体を破壊され、希望していた母校での仕事(しかも無償)まで奪われたんですよ。
織田さんの経歴から鑑みても1100万円は激安だと私は思いますが、感覚が違い過ぎてよく分かりません。
テレビのワイドショーのコメンテーターとツイッター民との論調の落差があまりに大きい
この提訴についての世の中の反応を見ていると、メディアとツイッターなどのネット界隈での論調が明らかに異なります。
ワイドショーなど各メディアは、なぜか一様にモラハラ提訴に踏み切った織田さんをバッシングし、濱田コーチを擁護している点にとても違和感を感じました。
裏で何か大きな力が働いてんの?と勘繰りたくなるくらい。
特にひどかったのがフジテレビの「バイキング」。
スタジオの空気は織田さんに対して冷ややかな反応で、コメンテーターはこうおっしゃいました。
「大学は言ってあげないといけないんですよ、監督だけど広告塔だよと。
濱田コーチより上に立つわけないんだから今までの実績があって。
織田君は実績がないわけでしょ指導者としての。
みんなが言ってあげないとわかんないですよ。」とか、
「監督としてのマネジメントに問題があるのではないか」とか。
もうね、ハラスメントからかけ離れて、論点のすり替えです。
これを公共の電波で流すのか?正気か?と。
だって、完全にセカンドハラスメントじゃないですか。
女子フィギュア界のトップアスリートを次々と育成した濱田コーチの実績は申し分ない。
でも、実績があれば何をやっても許されるのでしょうか。
ハラスメントと実績は切り離して論じるべきです。
また「シーズンに入るこの大事な時期に提訴なんて元選手のくせに嫌がらせか」的な意見もありましたが、ハラスメントの時効は3年ですので、ギリギリまで織田さんは関西大学と濱田コーチが対応されるのを待っていらっしゃったのではないでしょうか?
そもそも被害者が加害者の事情をくみ取って、丁度都合の良い時期に提訴なんてされませんけどね。
日刊スポーツの「織田氏より浜田コーチより選手が被害者/記者の目」という記事には怒りさえ感じます。
「選手の家まで週刊誌の記者が来ているらしい。かわいそう。」って、それマスコミの仕業でしょ?と思う。
ちなみにツイッター界隈の反応はこんな感じ。
織田信成さんの訴え見て「なんでもモラハラだな」とか「この程度で」て言う奴は日常的に周りを不快にさせて生きてんだろな。ふつう、人の悪口は言わないものだし、人を睨み付けないものだし、仕事内容は伝達するものだよ。それを日常的にやるクソ野郎、相当世の中にはびこってるんだな。
— 封印 (@kokohahaka) November 18, 2019
泣くのはちょっととか言ってるやつ鬱病患者にとって事を思い出しながら人前で話すことがどんなに辛いかわかってねぇから言えんだよマジで。5年経っても6年経っても10年経っても思い出したら泣くんだよ、それがモラハラでパワハラて鬱なんだよ。#織田信成
— かめ🐢ネタバレFF7R初見中 (@umeboshi0401) November 18, 2019
https://twitter.com/___96_______/status/1196306681463853057?s=20
メディアの存在意義を今一度考えたい
これからの裁判で真実は明らかになっていくであろうから、憶測でどちらが悪いとバッシングしたり、どちらかを擁護したりするのは、メディアのやるべき事ではないでしょう。
織田さんの提訴は社会が成長するチャンスだと思う。
だから、こういう現実が少しでも改善されるよう報道するために、メディアは存在するのではないだろうか。
織田さんは提訴に踏み切った理由について、
「スケートリンクにいる学生や選手たちがよりよい健全な環境で練習できるようにしたいと考えた」と説明されています。
苦しみを訴える被害者をたたくメディアの報道を見て、この先同じようにハラスメント被害を被った人は無力と絶望を感じるのではないだろうか。
訴えられた方に実績があるから擁護するのでは、「いじめられる方が悪い」という根深い「いじめっこの論理」がこの先もはびこったままになるかもしれない。
間違った風潮や考えを正していくのが、メディアの本来やるべき仕事ではないのでしょうか?
「それだけのこと」では済まないのがハラスメント
いつもツイッターの「いいね」が10もいかない超絶弱小ツイッタラーの私ですが、織田信成さんの記者会見を見てつぶやいたら、たくさんの方が反応してくださり驚きました。
それほど、世の中の多くの人が関心を持って織田さんを見守っており、同じような辛い経験をした方もたくさんいるんだなと実感。
織田さんの記者会見。
娘は中学の頃友人達から無視され陰口をたたかれ、教室に入ると吐き気と眩暈がし、校門もくぐれなくなりました。
それがきっかけで発症した強迫性障害は、高校生の今も症状が続いてます。それくらいで?的な質問をした記者、ハラスメントの怖さを知らなさすぎる。#織田信成
— はなです (@hana8family) November 18, 2019
職場で無視され続け、時に激高され怒鳴られ、悪い噂をたてられる。
これが織田さんの場合2年半もの間続いたのです。
記者がいう「それだけのこと」は人の存在を否定する行為です。
この行為がどれだけ人を精神的に追い詰めるのか、経験がある人なら分かるはずです。
「メンタルが弱い」と批判している方もいらっしゃいましたが、長期間継続してこの精神的ストレスにさらされると、人は病みます。
オリンピアンの織田さんだからこそ、2年半という長い期間を耐えられたのかもしれません。
ハラスメントはうつ病など精神疾患を引き起こしたり、最悪の場合命を奪ってしまいます。
体の表面の傷と違い、内面の傷は1週間休めば治るなんて簡単なものではありません。
治療に長い長い時間を要するのです。
だから、ハラスメントは傷害と同じと重く認識するべきであって、「それだけのこと」と軽く扱うべきではないのです。
これからは上下関係や年齢差は関係なく相互リスぺクトすべき時代
日本の社会は「自己責任論」と「誹謗中傷」を被害者に向ける傾向があります。
山梨女児行方不明事件のお母さんのインスタが、誹謗中傷のコメントで荒れているらしいです。
自分の娘が突然いなくなるなんて、耐え難い辛さだと想像できます。
そんな状態の人に、無関係の他人が更なる苦痛を与える。
何のために?と不思議でなりません。
[blogcard url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20191121-OYT1T50187/”]
香港で誤認逮捕された日本人大学生へのバッシングもそう。
織田さんの会見の後も同じように「メンタル弱すぎ」「会見で泣くな」と心無い批判をしている人もそう。
弱っている人をバッシングするのって容易い。
でもとても恥ずかしいことです。
「パワハラやモラハラ」と「人を誹謗中傷する」根本的原因は同じで、人をリスペクトしていない事にあると私は思う。
上下関係や年齢など関係なく、ひとりひとりが相互リスペクトをしてフラットな関係になれば、社会問題となっているいじめ、パワハラ、モラハラはある程度解消できるのではないかと思います。
理想論かもしれませんが。
でも、それこそ多様性が重視されるこれからの時代に求められる、然るべき人間関係ではないかと思うのです。
まとめ
パワハラやモラハラなんて他人事と思っている方もいるかもしれません。
ハラスメントなんて「それぐらいのこと」と軽く考えている方もいるかもしれません。
でも、自分の子供が学校でいじめにあい学校に行けなくなったり、配偶者が会社でパワハラを受け体調を崩し社会生活を営むことが出来なくなった時の事を想像してみてください。
やはり同じ様に「それぐらいのこと」と思えるのでしょうか?
社会問題は他人事のようですが、いつ自分の身に降りかかってきてもおかしくありません。
実際、私の娘は中学時代に友人達からの嫌がらせにあい強迫性障害という病気になり、高校生になった今でも軽くはなりましたが症状は続いており、精神的に不安定になります。
いつになればそれが完全に解消されるのかも分かりません。
だから、織田さんのモラハラ提訴とメディアの報道はとても他人事とは思えず、文章にした次第です。
あなたは織田さんの提訴についてどう思われましたか?
では(^^)/