がん検診って気軽に受ける事ができたら良いのにな・・・。
乳がん検診と子宮がん検診を受けるといつもそう思っておりました。
乳がん検診と子宮がん検診ほんと苦痛。
病気を見つけるのに何でこんな辛い思いをしなければならないのよっていつも思う。
もっと簡単な検査方法が早く開発されたら良いのになとは思ったけど、こんな急にこんなお気軽検査が世の中に出てくるとは思いもしなかったです。
最近ニュースやワイドショーでも取り上げられていましたが、「線虫」と「尿1滴」によるがんの一次スクリーニング検査「N-NOSE(エヌノーズ)」が2020年11月に始まったのです。
本当にこれでがんが発見できるなら夢のような話ですが、実際の所はどうなんでしょう?
検査を受けてみたので検査の詳細やデメリットをまとめました。
気になる方はぜひ。
初めて大腸検査を体験した話
この時受けたマルチスライスCT検査で婦人科健診はカバーできるのでしょうか?
N-NOSEとはどんながん検査?
ベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」が開発したこの新しい検査方法。
体長1ミリほどの線虫と被検者の尿1滴を使い、がんの可能性がある人をふるいにかける「一次スクリーニング検査」(がん検診の入り口として検査)を行います。
線虫は嗅覚が発達しているので、がん患者の尿には寄っていくけれど健常者の尿からは逃げるらしい。
というのも、がん患者の方の尿には健康な方の尿にはない特有の匂いがあるそうです。
(引用元:N-NOSE公式)
その線虫の性質を利用した検査がN-NOSEで、これまで全国17ヵ所の大学および病院でおこなった臨床研究から以下の15種類のがんに反応することが分かっています。(2019年9月時点)
- 胃がん
- 大腸がん
- 肺がん
- 乳がん
- 子宮がん
- 膵臓がん
- 肝臓がん
- 前立腺がん
- 食道がん
- 胆嚢がん
- 胆管がん
- 腎がん
- 膀胱がん
- 卵巣がん
- 口腔・咽頭がん
※その他のがん種についても研究が続いているので、今後対応できるがん種は更に増える見込み。
この画像見て思い出したんだけど、この線虫ってカブトムシ飼ってたら隙あらば土に大量発生するあいつ?
一次スクリーニング検査とは?
がん検診は一次検診、精密検査(2次検診)、がんの確定診断、治療という流れで進んでいきます。
一次検診は「スクリーニング」と言い、健康な人と多少でもがんの可能性が疑われる人を見極めてふるいわけする検査のことをさします。
(引用元:岐阜県がん患者支援情報提供サイト「ぎふがんねっと」)
線虫がんスクリーニング検査「N-NOSE」にかかる費用
✅医療機関で受ける場合 10780円(消費税込み 税抜9800円)
✅郵送の場合 11,550円(検査料・キット代・送料・消費 税込み)
保険適用外です。
線虫がん検査「N-NOSE」6つのメリット
- 価格が安い
- 簡便
- 高精度
- 早期発見
- 苦痛がない
- 全身網羅的
①価格が安い
私が毎年受けている子宮頸がん+子宮体がん、乳がんマンモグラフィ+触診+エコー検査で2万円くらいかかっているので、それもひっくるめて15種類のがん検査が1万円ちょっと済むのならかなり割安ですね。
②簡便
尿を提出するだけなので、非常に簡単です。苦痛も傷みも無し。
しかもそのたった一度の検査で全身網羅的にがんリスクが調べる事ができます。
③④高精度・早期発見
ステージ0、1の早期がんにも反応することが確認されています。
またがん患者を「がん」と判定する確率(感度)は86.3%。
健常者を「がんではない」と判定する確率(特異度)は90.8%。
- 感度が86.3%とは、がん患者の人を100人集めて検査すると、その内の13~4人はがん患者なのに検査では「陰性」になるということ。(偽陰性)
- 特異度が90.8%とは、がん患者ではない人を100人集めて検査すると、約10人はがん患者ではないのに検査が「陽性」になるということ。(偽陽性)
こういう認識で合っているのだろうか?もし間違っていたらどなたか教えてください。
まあまあハズれる確率高くない?と思うかもしれない数字だけど、100%確かな検査はないですしね。
この数字なら業界では高精度と見なされるってこと、なのかな?
⑤苦痛がない
乳がんと子宮がん本当苦痛なんですが、胃カメラや大腸がんの内視鏡検査なんかも気軽に受けることができないですよね。
正直辛い。
それらのスクリーニング検査が尿1滴で済むのなら、こんな楽な事はないと思う。
⑥全身網羅的
2019年9月時点で15種類のがんのリスクが発見できるので、主要な癌はほぼ網羅できているのではないでしょうか。
まだまだ臨床研究が進んでいる段階なので、この先もっと多くの種類のがんに対応できるかも。
がん検査への心理的・経済的ハードルを下げてがんに対するリスク管理意識を高めるというのはとても素晴らしいコンセプトだと思います。あと、検査で被ばくしないというのは大きなメリットだなと思うのです。
線虫がん検査「N-NOSE」のキット申し込み・予約・検査の流れ(郵送編)
申込から7営業日以内にキットが発送されます。
線虫がん検査「N-NOSE」は11の取り扱い医療機関でも検査が可能
N-NOSEは2021年3月の時点で全国で11の取り扱い施設の医療機関でも申込みと検査が可能です。
(※新型コロナの影響で一部の病院においてN-NOSE検査の受付が延期・一時休止されています。)
詳しくは公式サイトにて⇊
採尿する時の注意点
- 体調がすぐれない
- 疲労が激しい
- 長期の睡眠不足や徹夜明け
- 感染症に罹っている
- アルコール摂取時もしくはアルコールの影響が残っている
- 妊娠中
- 生理中
こういった場合は、検査に影響が出るので採尿して提出することができません。
また採尿の際は、空腹時(食後4時間以上)の中間尿(※)を採取しなければなりません。
※中間用とは最初と最後の尿は採らないで中間の部分を採ったもの。雑菌の混入を防ぐことが できます。
線虫がん検査「N-NOSE」の注意点
- がんのリスクを判定する検査であり、がんの診断をするものではない。
- 採尿後4時間以内、もしくは冷凍状態のまま検体(尿)を提出しなければならない。
- 自宅で採取した尿を所定場所に持ち込む、又は家に取りに来てもらわなければならない。郵送不可。
N-NOSE検査はがんの存在の発見には有用だけど、がんの種類や部位、大きさなどを特定するものではありません。
そして検査で「がんのリスクが検出されなかった場合」でも、もしかしたらがんに罹っている可能性が無きにしも非ずということ。
反対に「がんのリスクが高いと判定された場合」でも、必ずしもがんに罹っているとは言い切れない。
正直何だかもやっとした感じではある。
年齢は何歳でもOKですが、未成年の場合は代諾者の署名が必要。
ちなみに小児がんに対する有効性は現在研究中のためまだ分からないとの事。
採尿後4時間以内か冷凍状態での提出という条件から、N-NOSEステーションが近くにないとちょっとキツイですね。
N-NOSEステーションOSAKA(大阪)に行ってきた
N-NOSEステーションは東京、福岡、大阪の3箇所にあります。
N-NOSEステーションとは検体提出する場所です。
兵庫県在住の私は大阪に行って参りました。
場所は、大阪・梅田の大阪第一生命ビルディング地下1階。
ヒルトンプラザのお隣です。
地下から行くならディアモール梅田から行くのが便利。
地上から行くなら大阪駅前のマルビル、ヒルトンプラザ方面を目指しましょう。
行ってみたら案外分かりづらい場所にありました。
大阪第一生命ビルの地下1階に行くと(ディアモールからアクセスする場合、ディアモールは地下2階なのでワンフロア上がります)イオン銀行とソフトバンクの間の通路を入っていきます。
すると右手ソフトバンクのお向かいにN-NOSEステーションOSAKAがあります。
2021年1月にオープンしたばかりのN-NOSEステーションはとても綺麗でした。
こちらで受付の方が予約を確認してくださり、提出するだけでOK。1分ほどで完了!
あとは検査結果が郵送されるまで6週間待つだけです。
N-NOSEのデメリットをがん情弱の私が考えてみる~特異度90.8%について
まず大きなデメリットは「がんの種類の判定はできない」ということ。
N-NOSEはがんのリスク検査であり、がんの診断をするものではないからだ。
それから、よくよく考えてみた。
がんで亡くなった親族が私にはいないのだ・・・。
ほぼ老衰だ。
だから「がん」に関して私は情弱と言って間違いない。
そのがん情弱の私が考えるN-NOSEのデメリットは、もしかしたらその業界の方からすると「そんなの当たり前だろ」ってくらいの事かもしれない。
でもテレビの情報番組でN-NOSEを取り上げても、デメリットについて全然語られていない気がします。
というのも、「感度が86.8%」というのは精度がまあまあ高いのかな?
よく分からないけど。
でも私がどうしても引っ掛かるのが「特異度」なんです。
「健常者を「がんではない」と判定する確率(特異度)は90.8%」って、どうなの?
つまり、実際にはがんに罹っていない受検者の内の10人に約1人はがん患者でもないのに「あなた体のどこかが癌に侵されてますよ」という結果になる(偽陽性)ってこと?(合ってる?)
「あなた癌かもよ」という結果が出たら、このスクリーニング検査はどの部位の癌なのか判定できないので、精密検査を受けまくることになる。
全身網羅的に検査してるからPET-CT検査に進むのかな。
最近MRIでもがん検査ができると聞いたけど。
精密検査ってめっちゃお金かかりますよね。PET-CT検査で約10万円。
そのPET-CT検査だって確実に判定してくれるわけではなく、感度は80~96%、特異度は83~100%らしい。
で、「私もしかして癌なの??」ってめっちゃ不安になる。
でも精密検査の結果「癌ではなかった」となるならば、本来受けなくても良かった高額な精密検査の費用も払わなくて良かったってことですよね。
無駄に絶望と不安な日々を過ごしたってことになるんですよね。
でもその精密検査でさえも「その陰性の検査結果は本当??」と疑心暗鬼になりそう。
つまり、特異度90.8%って事はリアル陰性の受検者の内10人に約1人はそんな目に遭うってこと?
これって結構な確率じゃないのでしょうか?
気になるので計算してみた。
乳がん検診はがんを発見する確率が一番高いらしいけど、それでも0.33%。
平成27年度の乳がん検診を受けた人は約300万人。
その内本当に癌が発見された人は約9900人。
その約300万人が全員この線虫がん検査を受けたと仮定するならば、特異度91%で計算しても約295,000人は本当は陰性なのに陽性だと判定されて精密検査に進むということ。
リアル陽性の人の数に対して偽陽性の数多くない?
この計算合ってるのかな?
そんな事より早期発見する方が良いんじゃないのか?と言われたらそれまでなんだけど。
これはこの検査の大きなデメリットだなと感じました。
もう受けちゃったけど・・・。
そもそも、がん家系じゃないからそんなに気にする必要もないのでは?という気もします。
私が考えるデメリットは正しいのか、誰か詳しく分かる人がいたら教えてください。
追記~文春オンラインの記事を読みました
文春で気になる記事が出ていたので読みました。
もし記事が本当なら、これはちょっと・・・。
まとめ
新型コロナの影響で、病院に行って検査を受けることさえも躊躇してしまう現在。
N-NOSEなら郵送で送られてくるキットを使って自宅で採尿してステーションに提出するだけ。
しかも安くて苦痛がなくて全身網羅的に検査が出来て精度も高い。
そんな夢のようながん検査があるんでしょうか。
新しいモノに真っ先に飛びついてしまった私ですが、デメリットは結構大きいなと感じました。
気になる特異度は今後もっと上がるのだろうと期待はするけれど、もう少し様子を見てから受けても良いのかなという気はする。
でも新しい物が世の中に生み出される時ってこんな感じなのかもしれないな、と思ったり。
6週間後に検査結果が郵送されます。良い報告が出来ればいいんだけど。
では(^^)/
※追記:
領収書が必要なので問い合わせた所、検査代の領収書は発行できないとの事で。
クレジットカードの明細やATM振込みの明細が領収書の代わりだそうです。
「決済代行会社を通しているため領収書の発行を行っておりません。大変申し訳ございません。」との事でした。
1か月半後、検査結果報告が届きました
初めて大腸検査を受けた話